給料ファクタリングとは?手数料とメリット・デメリットを解説

「急な病気やケガ、冠婚葬祭で給料日前にまとまったお金が必要になった」

貯金を切り崩したり、カードローンやキャッシング、家族や知人からお金を借りたりすれば、急な出費にも迅速に対応できます。

しかし、「手元に現金がない」「これ以上お金を借りられない」といった状況ではどうでしょうか?

そんなときに、既に働いた分の給料が給料日を待たずに受け取れる「給料債権ファクタリング」というサービスがあります。

一般の人は「給料債権」や「ファクタリング」といった言葉をご存じないかもしれません。

今回は

  • 給料債権ファクタリングとは何か
  • 会社にバレずに給料の前払いが可能なのか
  • 給料債権ファクタリングの手数料
  • 給料債権ファクタリングのメリット・デメリット

について解説していきます。

給料債権ファクタリングとは

給料ファクタリングとは、労働の対価として受け取る給料を、将来給料を代わりに受け取れる債券として、ファクタリング会社に買い取ってもらう事で、給料日前に現金を受け取れるサービスです。

給料債権ファクタリングを説明する前に、まずは「債権」と「ファクタリング」について確認しましょう。

債権とは

債権とは、相手に特定の行為を請求する権利のことです。

たとえば銀行が利用者にお金を貸した場合、銀行には利用者に返済を請求する権利(債権)が発生し、利用者には返済をする義務(債務)が発生します。

これを給料に当てはめると、会社に給料の支払いを請求する権利、すなわち給料債権となります。

ファクタリングとは

ファクタリングは、「債権譲渡」や「債権売却(買取)」とも呼ばれる取引のことです。

一般的なファクタリングは、企業や個人事業主が商品やサービスを納品・提供した代金「売掛債権」をファクタリング会社に譲渡、入金日よりも前に資金を得るサービスのことを指します。

これを給料債権に当てはめると、

給料の支払いを請求する権利をファクタリング会社に譲渡、給料日よりも前に資金を得るサービス

となります。

一般的なファクタリング会社は「売掛債権」を保有する法人または個人事業主、自営業者などが取引相手なので、会社員などの個人は利用できません。給料債権ファクタリングは、ファクタリング会社が事業者向けとは別に、「個人向けファクタリング」として運営しているケースもあります。

給料債権ファクタリングの利用シーン

給料債権ファクタリングは、簡単に言えばファクタリング業者を介した「給料の前払い」です。

たとえば、毎月の給料日が25日の利用者のケースでは、次のような使途が考えられます。

  1. 10月3日に交通事故でケガを負ってしまい、治療費で先月の給料のほとんどを使ってしまった
  2. このままだと10日のクレジットカードの返済日にお金が足りなくなってしまう
  3. 手元に現金がなく、追加でお金を借りることもできない
  4. 給料債権ファクタリングで10月25日に支払われる給料を前払いしてもらう
  5. 10月10日のクレジットカードの返済日に支払いが間に合った

急な資金需要に対して、貯金がない、借入ができないという状況でどうしても資金を調達する方法がない場合に、「給料債権ファクタリング」はひとつの解決策となります。

給料債権ファクタリング2つの仕組み

給料債権ファクタリングの利用を検討する際に、気になるポイントは次の2つではないでしょうか?

  • 会社にバレずに利用できるか
  • 手数料はいくらかかるか(給料の何%を現金化できるか)

そのカギを握るのは、「3社間ファクタリング」と「2社間ファクタリング」いう2つの異なるファクタリングの仕組みです。

3社間ファクタリング(給料マエガリサービス)

  1. 【会社員→勤務先】締日まで働いて給料を受け取る債権(給料債権)を得る
  2. 【勤務先→会社員】給料債権譲渡への同意
  3. 【会社員・ファクタリング会社】給料債権譲渡
  4. 【ファクタリング会社→会社員】ファクタリング手数料を差し引いた金額を支払い
  5. 【勤務先→ファクタリング会社】ファクタリング会社の口座に給料を入金して精算

3社間ファクタリングは、「会社員(利用者)」「ファクタリング会社」「勤務先」の3社間で取引されます。

給料債権譲渡の契約を結ぶためには「給料債権譲渡の同意書」を勤務先に書いてもらわなければならないため、利用者は勤務先に給料の前払いがバレてしまいます。

給料マエガリサービスとして提供されることが多く、その場合は勤務先がファクタリング会社によって、従業品一人あたりの最大利用額範囲内(5万円程度が多い)で自由にマエガリ申請を行うことができます。

債権譲渡に勤務先の同意が得られた段階で会社員とファクタリング会社が債権譲渡契約を結び、ファクタリングの手数料を差し引いた分の給料額が支払らわれます。

給料日になったら、勤務先はファクタリング会社の口座に直接給料を入金して精算します。

勤務先からファクタリング会社に直接給料が入金されるため、ファクタリング会社は勤務先が資金ショートや倒産等で給料の未払いが発生しない限り、確実に買い取った給料を回収できます。

したがって、給料マエガリサービスの様な3社間ファクタリングの手数料は、2社間よりも低めに設定されており3%~5%程度です。

2社間ファクタリング

  1. 【会社員→勤務先】締日まで働いて給料を受け取る債権(給料債権)を得る
  2. 【会社員・ファクタリング会社】給料債権譲渡
  3. 【ファクタリング会社→会社員】ファクタリング手数料を差し引いた金額を支払い
  4. 【勤務先→会社員】給料日に給料の支払い
  5. 【会社員→ファクタリング会社】ファクタリング会社の口座に給料を入金して精算

2社間ファクタリングは「会社員(利用者)」と「ファクタリング会社」の2社間で取引されます。

勤務先に一切知られることなく、なおかつ給料債権譲渡の同意も必要ないため、最短即日で現金が調達できます。

2社間ファクタリングでは、給料日に通常どおり勤務先から利用者の指定口座に給料が振り込まれます。

この給料はすでにファクタリング会社に売却済みですので、利用者は速やかにファクタリング会社の口座に給料を入金して精算する必要があります。

利用者の口座に振り込まれた給料が自動引き落とし等で満額にならなかった場合、ファクタリング会社は買い取った給料を回収することができません。

したがって、2社間ファクタリングでは未回収リスクに対応するため、手数料が15%~20%と高めに設定されています。

給料債権ファクタリングに必要な書類

給料債権ファクタリングを利用する際に必要となる書類は次のとおりです。

  • 顔写真付の身分証明書(運転免許証、パスポートなど)
  • 健康保険証
  • 直近3ヶ月分の給料明細 or 給料が振込されている通帳のページ

上記の書類を事前に準備しておけば、2社間ファクタリングで申し込みをしたその日のうちに現金を調達することができます。

ファクタリング会社によって必要書類は異なる場合があるので、事前に確認するようにしましょう。

給料債権ファクタリングのメリット

給料債権ファクタリングのメリットは次のとおりです。

審査が緩い

法人向けの売掛債権ファクタリングも、個人向けの給料債権ファクタリングも、銀行や消費者金融の借入と比較して「審査が緩い」ことが最大のメリットです。

そもそもファクタリングは債権譲渡(売買)契約であり、カードローンやキャッシングなどの金銭消費貸借契約とは全く異なるサービスです。

借入の場合、

  • 安定した収入がない
  • 返済事故(滞納など)を起こしている
  • 自己破産や債務整理をしている
  • 複数の借入がある
  • 年収の3分の1まで借りている(総量規制)

といった状況では、銀行であれ消費者金融であれ、カードローンやキャッシングの審査に通ることはありません。

金銭消費貸借契約は、審査のときに利用者(消費者)の信用力、返済能力を重視するからです。

一方のファクタリングは、利用者の信用力や返済能力よりも、給料を支払う勤務先の信用力が重視されます。

したがって、借入ができないような状況でもファクタリングなら利用できるのです。

個人信用情報に影響がない

個人が銀行や消費者金融等から借り入れをすると、「個人信用情報」に借入情報が記載されます。

個人信用情報には現在の利用会社、借入総額、借入残高、事故情報等の借り入れに関する情報がすべて網羅されており、新規で借入の契約を行う場合は必ず照会され、審査に影響を及ぼします。

ファクタリングは借入ではないため、利用しても個人信用情報に登録されることがなく、今後の借入には一切影響がありません。

勤務先の給料未払いを回避できる

ファクタリングは償還請求権が無いノンリコース契約です。

償還請求権とは、法人向けの場合は取引先、個人向けの場合は勤務先が倒産してしまった場合に、債権を売却した利用者に債務の弁済を請求する権利を意味します。

万が一、給料日前に会社が倒産して給料未払いとなっても、利用者は給料を受け取る権利(債権)をファクタリング会社に譲渡しているため、弁済の義務はありません。

つまり、利用者にとってはファクタリングで給料の未払いをリスクを回避できるという側面もあるのです。

勤務先に内緒で利用できる(2社間)

2社間ファクタリングであれば、勤務先に一切知られることなく債権譲渡、現金の調達が可能です。

即日で現金の受け取りが可能

2社間ファクタリングであれば、勤務先への通知と同意が不要なため、即日で現金の受け取りが可能になります。

給料債権ファクタリングのデメリット

給料債権ファクタリングのデメリットは次のとおりです。

金利に換算すると手数料がかなり割高

カードローンやキャッシングは「利息制限法」に基づき、金利が20%を超えることはありません。

個人向けカードローンの場合、多くは年利18%前後の金利が設定されます。

一方、給料債権ファクタリングは3社間ファクタリングで3%~5%、2社間ファクタリングで15%~20%の手数料がかかります。

たとえば30万円の給料債権を手数料20%で譲渡した場合、手元に残る現金は24万円(手数料分 6万円)です。

これを金利に置き換えると、ファクタリングは給料日に一括精算するため

借入期間を1ヶ月(30日)、手数料分の6万円を利息として考えれば「年利243.4%」に相当する計算となります。

300,000 × 2.434(金利) × 30 ÷ 365 =60,016円(利息)

上限金利を遥かに超える手数料がかかるため、給料ファクタリングは慎重に検討する必要があります。

悪質な業者も存在する

現在のところ、個人向けファクタリングに対応している業者は法人向けファクタリングに比べて数えるほどしかなく、利用者からすると選択肢がほとんどないと言えます。

そもそも個人向けファクタリング自体が登場して間もないサービスで、実績も信頼性も乏しいのが現状です。

なかには「どうしてもお金が必要だが、借入はできない」というファクタリング利用者の弱みに付け込む業者も存在します。

悪質な業者は相場よりも遥かに高い手数料を提示したり、利息や遅延金といったファクタリングではあり得ない手数料を請求したりといった特徴があります。

やむなく給料債権ファクタリングを利用する場合は、利用者の口コミも参考にして安全な業者を選ぶようにしましょう。

給料債権ファクタリングの利用は慎重に検討を

給料の前払いサービス「給料債権ファクタリング」について解説しました。

現状で給料債権ファクタリングは、「審査が緩い」「個人信用情報に影響がない」というメリット以外にローンやキャッシングより優れている点はなく、むしろデメリットのほうが多いサービスです。

給料債権ファクタリングを利用する前に「他に資金を調達できる方法がないか」を慎重に検討しましょう。

やむなく利用せざるを得ない状況になっても、申し込みの前に必ず利用条件を確認し、なるべくリスクを抑えられる安全な業者を選ぶことが重要です。