給料ファクタリングの注意点|個人を狙う悪徳業者の手口も解説

ファクタリングは企業の資金調達手段として、最近は少しずつ定着してきました。

企業向けの資金調達手段であったファクタリングですが、最近では個人向けのファクタリングも登場しています。

それが給料ファクタリングです。

「給料ファクタリングってなに?」

「給料ファクタリングは闇金ではないの?」

と疑問に思う人も多いのではないでしょうか?

結論的には給料ファクタリングは違法とはでは言えませんが、法律的にはグレーゾーンということころです。

給料ファクタリングは、どこからもお金を借りることができない人にはメリットがありますが、多くの注意点があるのも事実です。

給料ファクタリングのメリットと注意点について詳しく解説します。

法整備が進んでいない給料ファクタリングは自己責任で利用するしかありません。

メリットともに注意点も理解して正しい選択ができるようになりましょう。

給料ファクタリングとは

給料ファクタリングを簡単に言えば、未払分の給料をファクタリング会社へ売却して給料日前に資金を得ることです。

給料ファクタリングには以下の3つの特徴があります。

  • 給料債権をファクターへ売却する
  • 売却には手数料がかかる
  • 給料日にファクターへ給料を支払う

最初に給料ファクタリングの特徴について詳しく解説していきます。

給料債権をファクターへ売却する

給料ファクタリングは会社員が会社に対して保有している給料債権を売却して、給料日前に資金を得ることです。

給料は後払いですので、すでに働いた期間分の未払いの給料は会社に対する債権になります。

ファクタリングとは債権の譲渡のことですので、個人がファクターへ給料債権を売却することによって給料ファクタリングが成立します。

売却には手数料がかかる

給料ファクタリングには手数料が発生します。

ファクタリングは債権の回収リスクも売却することです。

そのためファクターには債権がデフォルトするリスクが生じ、給料ファクタリングにおいては「勤務先が給料を期日通りに支払わないリスク」が生じます。

このリスクに対するリスクプレミアムとして手数料は設定され、給料ファクタリングでは10%〜20%の手数料が必要になります。

給料ファクタリングでは給料債権売却の際、手数料を控除された金額が入金になります。

20万円の給料債権を手数料20%でファクタリングした場合には、手数料4万円が控除された16万円が入金になります。

給料日にファクターへ給料を支払い

給料日になると、利用者の口座へはいつものように会社から給料が支払われます。

この給料を利用者がファクターへ送金することによって、ファクターの回収が完了します。

給料ファクタリングは基本的に2社間ファクタリングで行われるので、給料日になったらファクターへ支払う必要があるという点に注意しましょう。

個人が給料をファクタリングするメリット

大手消費者金融の審査に通過できない人などにとって、給料ファクタリングによって給料債権を売却する資金調達方法には以下の3つのメリットがあります。

  • 個人信用情報ブラックでも資金化可能
  • 会社にバレない
  • 即日で資金調達が可能

給料ファクタリングの3つのメリットについて、詳しく解説していきます。

個人信用情報ブラックでも資金化可能

給料ファクタリングは個人信用情報がブラックでも審査に通過できる可能性があります。

ファクタリングによって債権は売買するため、ファクタリング審査では「債務者である勤務先が期日通りに給料を払うかどうか」ということが重視されます。

一般的な企業に勤務していれば、給料の支払いが遅れることなどほぼありません。

つまり給料ファクタリングは、給料が期日通りに支払われる一般的な企業に勤務している人であれば、例え個人信用情報がブラックでも審査に通過することができる可能性があると言えます。

信用上の問題から、どこからもお金を借りることができない人でも資金調達できる可能性があります。

会社にバレない

給料ファクタリングは債務者である勤務先の同意ば必要ありません。

利用者とファクターとの2社間で契約する2社間ファクタリングで行われるからです。

給料日には勤務先がいつもどおりに自分の口座へ給料を振り込み、自分でファクターへ送金をするので、期日さえ守れば絶対に会社にバレる心配はありません。

会社にお金の相談をするのに抵抗があり、給料の前借りを言い出せないという人でも、給料ファクタリングであれば給料日前に会社に秘密で給料債権を資金化することができます

即日で資金調達が可能

給料ファクタリングは申込日当日に資金調達することが可能です。

給料ファクタリングの審査は時間がかかりませんし契約も非対面で行うことができるので、申し込みから最短30分で審査が完了し、60分程度で振り込みを受けることができます

  • 後払いの出張を命じられた
  • 急な葬式が入った

このようなタイミングでお金がないときには、給料ファクタリングを活用することができます。

給料ファクタリングの注意点

メリットばかりが強調される給料ファクタリングですが、注意点についても頭に入れておく必要があります。

主な給料ファクタリングのデメリットとしては以下の2点をあげることができます。

  • 手数料が非常に高い
  • 業者選びは自己責任

給料ファクタリングについては、むしろデメリットを理解しておかなければならないでしょう。

給料ファクタリングの2つの注意点について詳しく見ていきます。

手数料が高い!年利は240%?

個人が利用する給料ファクタリングの手数料は10%〜20%で、初めて取引をする場合には、20%の手数料が適用されるのが一般的です。

給料ファクタリングとは前回給料日から次回給料日までの間に資金調達するものです。

つまり、最大の借入期間は1ヶ月ということになります。

給料ファクタリングの手数料は月利20%ということで、これを年利換算すると実に240%にもなってしまうのです。

借入の金利は以下のように利息制限法という法律によって上限が決まっています。

借入金額上限金利
10万円未満20.0%
10万円以上100万円未満18.0%
100万円以上15.0%

給料ファクタリングではローンで10万円を借りた時よりも12倍も高い負担をしなければなりません

手数料の高さは給料ファクタリングの非常に大きなデメリットです。

業者選びは自己責任

給料ファクタリングは法律的にはグレーゾーンで、明確に禁止する法律も業務の詳細を取り決めた法律もありません。

そのため給料ファクタリング業者には闇金に近い悪徳な業者も相当数混じっていると言われています。

給料ファクタリングでは業者選びは自己責任で行うしかありません。

消費者金融であれば、国や都道府県への登録制ですので、安全な業者を見極めるには登録貸金業者かどうかを検索するだけで簡単です。

給料ファクタリングの場合には消費者背金融の業者選びのように「安全な業者かどうか」を知るための明確な基準がないので、自己責任で安全な業者を選択しなければなりません。

悪徳業者に引っかかると

法整備が進んでいない給料ファクタリングでは、残念ながら業者の中に悪徳な会社が混じっているのも事実です。

このような悪徳業者と取引をされてしまうとどのようなリスクがあるのでしょうか?

悪徳業者が回収の際に利用する手口としては主に以下の2つのものがあります。

  • 自宅への深夜の訪問
  • 会社にバラすと脅迫

これらの悪徳業者の手口についてもしっかりと理解しておきましょう。

自宅に訪問される

悪徳業者と給料ファクタリングを行い、期日通りに支払いをしないと、男性が複数人で深夜に自宅に訪問て督促されるなどの事例が相次いでいます。

  • 深夜に男性が複数で訪問してきた
  • スマホの電池がなくなるまで督促電話が続いた

などの被害が報告されています。

今はこのような悪質な督促は貸金業法では規制されているので、正規の貸金業者はこのような督促は行いません。

悪質な督促を行うのは闇金だけです。

しかし悪徳な給料ファクタリング業者と取引をすると、闇金からお金を借りた時と同じように電話や訪問によって昼夜を問わずに督促されることがあります。

会社にバラされる

支払いに遅れると「会社にバラすぞ」などと脅されたり、実際に会社の固定電話あてに督促が何度も行われるということも珍しくないようです。

これはまさに闇金の督促方法ですので、やはり給料ファクタリング業者の中には闇金がファクタリング会社を偽装しているケースが多いと考えられます。

給料ファクタリング業者が訴えられた

これまではあまり知られていない資金調達方法でしたが、2020年になって給料ファクタリング業者という言葉が大きくフォーカスされました。

それは「給料ファクタリング業者が訴えられた」というニュースです。

2020年1月21日に東京地裁で給料ファクタリングで資金調達をした人が業者を訴えたという民事裁判から、給料ファクタリングの何が問題で、何が違法の可能性があるのかについて考えていきましょう。

給料債権は法律上会社に請求できない

裁判では給料債権は会社に対して直接請求することが法的に不可能ということが指摘されています。

労働基準法では給料について以下のように定められています。

  • 給料は雇用主が労働者に直接支払う
  • 給料は第三者である業者に支払うことはできない

つまり、法律上債務者に対して直接請求できない債権の譲渡を受け、利用者に請求すること自体、債権の譲渡としては有効に成立していないのではないか?ということが問われています。

これは、全ての給料ファクタリングに当てはまることで、判決次第では給料ファクタリング業界を揺るがす事態になるかもしれません。

実質的な融資では?

法的に会社に請求することができないと分かっている債権の譲渡を受けて、利用者へ請求することは実質的には貸付を同じではないか?ということも裁判では指摘されています。

企業に対して請求することができないものを利用者に請求することは、借りたものを返せと言っていることと同じではないかということも指摘されています。

今後、給料ファクタリングが実質的な貸付と判断されて

  • ブラックOK
  • 総量規制対象外

などのお金がない人にとってメリットがなくなってしまうかもしれません。

悪徳業者に関する相談が急増中

日本ファクタリング業協会には、給料ファクタリングの悪質な取り立てに関する相談が、1日3件〜5件程度は入るとのことです。

全ての業者が悪質な取り立てを行なっているわけではありません。

しかし、相当数の人が闇金からお金を借りた時と同じような被害にあっていることは間違いないようです。

今後は給料ファクタリングに何かしらの規制が入る可能性は否定できません。

金融庁の何らかの見解次第では規制も

給料ファクタリングに関しては、金融庁は何も見解を出していません。

今後見解が出されるようであれば、給料ファクタリング業界に何かの規制が入る可能性があります。

給料ファクタリング全体が規制されるのか、督促の方法について規制が行われるのか、具体的な方向性は分かりません。

しかし給料ファクタリング業者が裁判で訴えられるという事態になり、一般の人でも「給料ファクタリングの危険性」について認識が広がってきた以上は所轄官庁である金融庁が何も動かないということは考えられません。

給料ファクタリングで今後も資金調達することができるかどうかは、今後の動向に注視する必要がありそうです

給料ファクタリングに寄せられる質問

給料ファクタリングに申し込んだら融資を勧められました。借りても安全でしょうか?
給料ファクタリングに申し込みをしたのに融資を勧める業者は闇金の可能性が非常に高いと言えます。このような業者は借入はおろか、給料ファクタリングすら取引をしない方が無難です。
闇金の可能性が高い給料ファクタリング業者の特徴を教えてください。
ホームページに運営会社が表記されていない会社や、手数料について何も言及がない会社は闇金が偽装している可能性があると言えるでしょう。また、「対応が悪いな」と感じた業者とも取引はしない方が無難です。
審査の時には業者から会社へ連絡は行きますか?
審査では、在籍確認のために業者から会社へ連絡が行くケースが多々あります。ただし、在籍確認は個人名で「〇〇様いらっしゃいますか?」などと確認するだけです。あくまでも当人がその会社に在籍していることの確認で、審査の段階で「給料ファクタリングを利用しようとしている」と会社にバラすことはあり得ません。
悪質な督促を受けてしまったらどこに相談に行けばいいですか?
弁護士や司法書士などの闇金問題に強い専門家のところへ相談に行きましょう。悪質な督促を行う業者は実質的には闇金と同じ可能性が高いので、闇金の対応に慣れている弁護士や専門家であれば適切に対処してくれる可能性があります。警察は民事不介入で解決はしてくれないでしょう。
給料ファクタリングは総量規制対象ですか?
総量規制の対象ではありません。あくまでも売掛債権の売買で借入ではないので、すでに年収の3分の1を超える借入を消費者金融などから行なっている人でも資金化することができます。だからこそ闇金に狙われやすいと言えますので、業者選びには十分に注意するようにしてください。
手数料が低い業者の選び方を教えてください。
複数の業者に同時に相見積をとり、手数料を比較することで手数料の低い業者を選択することができます。相見積は手数料が高い悪徳業者を炙り出すことにも有効な方法ですので、安全な業者が分からない時には相見積をとるようにしましょう。
手数料を引き下げる方法はありますか?
2回目以降の取引では手数料が下がる可能性があります。また、他社の見積もりを提示して、「御社はこれくらい手数料が下がらないのか?」と交渉することでも手数料が下がる可能性があります。
個人間融資掲示板で募集をしている業者は安全な業者ですか?
個人間融資掲示板で「お金を貸しますよ」「給料を現金化しますよ」と募集している業者は全て闇金だと考えた方がよいでしょう。闇金はお金に困っている人が多く集まる個人間融資掲示板を頻繁に利用しています。個人間融資掲示板で出会った人は基本的に信頼しない方が無難です。

まとめ

給料ファクタリングは消費者金融カードローンなどの審査に通過することができない人でも資金調達することができるなどのメリットがあることは間違いありません。

しかし、闇金のような督促の被害にあった人が多数存在するのも事実で、裁判にまで発展したケースもあり、今後は給料ファクタリング全体が規制される可能性は否定できません

とはいえ、今のところ給料ファクタリングは給料をもらっている人であれば、即日で資金調達できる方法であることは間違いありません。

業者選びは自己責任ですので、口コミが高い業者を探すなど、できる限り安全な業者と取引をするようにしましょう。給料ファクタリングの注意点|個人を狙う悪徳業者の手口も解説