「絶対に借りられる」にご用心!個人融資・個人間融資の危険な実態

「個人でお金を貸します」

「信用ブラックでも絶対に借りられます」

このような誘い文句で、お金に困っている個人に、個人が貸付をする「個人融資・個人間融資」が問題となっています。

家族や知人など、信頼関係のある相手から借りるのではなく、見知らぬ他人からお金を借りる行為は、どう考えても危険です。

しかし、本当に首が回らない状態では冷静な判断ができず、わらにもすがる思いで個人融資を利用してしまうことも……。

今回は個人融資の実態や危険性、万が一、利用してしまった場合の対処法について解説します。

個人融資・個人間融資とは

個人融資、または個人間融資とは、銀行や貸金業者でない個人が、個人に対して融資をすることです。

不特定多数が閲覧可能な専用掲示板やSNS等で、貸主が「お金を貸します」「融資します」などと書き込み、消費者金融等からの借入が難しい借主に対して、お金を貸し付けます。

貸主は一般の会社員や経営者などのほか、反社会勢力の人間である場合もあるようです。

個人融資は、家族や知人など、信頼関係のある者同士ではなく、赤の他人同士が貸主と借主となってお金の貸し借りをします。

それ自体が違法行為であるだけでなく、さまざまなトラブルの元となっており、金融庁も警戒を呼びかけています。

個人融資のリスク

個人融資は「絶対に借りられる」をうたい文句として、高い金利で融資をするだけでなく、さらなる犯罪被害やトラブルに巻き込まれるリスクがあります。

利息制限法を超える利息を請求される

利息制限法とは、金銭消費貸借における利息や遅延損害金の利率の上限を規定し、上限を超えた分の利率を無効とする法律です。

融資額に応じて、利息は年率15~20%、遅延損害金は21.9~29.2%が上限で、借主と貸主が納得のうえで設定していたとしても、この上限を超えた金利は無効となります。

個人融資は、利息制限法を無視した高金利であるため、借主の返済負担は大きく、いずれ破綻することは目に見えています。

個人情報を悪用される可能性がある

個人融資の貸主には個人情報保護法を遵守する義務がないため、氏名、住所、電話番号、メールアドレス、銀行口座といった個人情報が悪用されたり、流出したりする可能性があります。

犯罪に巻き込まれる可能性がある

個人融資でお金を借りたことで、その後、犯罪に巻き込まれる事例が発生しています。

2019年6月、利息制限法を超える高金利で女性に金を貸し付けたとして、大阪・千早赤阪村の36歳の職員が逮捕されました。

警察によると、この職員はインターネットの掲示板を通じて女性と知り合い、金を貸していましたが、その融資の条件として性的な対価を要求していたということです。

個人融資は借主が法律で守られておらず、貸主に対して圧倒的に立場が下となるため、無理な要求や犯罪に繋がる行為にさらされるリスクが高くなります。

貸す側は貸金業法違反の可能性がある

個人間のお金の貸し借りであっても、反復継続する意思を持って貸付けを行うことは、貸金業法上の「貸金業」に該当します。

貸金業を営む場合は、国または都道府県の登録を受ける必要がありますが、個人融資の貸主が貸金業登録をしているとは到底考えられません。

さらに、不特定多数が閲覧可能な掲示板サイトやSNS等で、「絶対借りられます」「どなたにでも貸します」といった誘い文句で契約の締結を勧めることは、貸金業法で規制されている「貸金業を営む目的をもって、貸付けの契約の締結について勧誘をすること」に該当するおそれがあります。

個人融資で借りる前に検討すべきこと

個人融資でお金を借りる人の多くは、消費者金融等で融資を断られた、総量規制でお金を借りられないといった理由があるはずです。

今すぐお金が必要な状況で、借入ができない場合でも、まだまだお金を作る方法はあります。

不用品を売却する・質に入れる

周りに不用品や売れそうなものがあれば、リサイクルショップに売却したり、質に入れたりしてお金に変えることができます。

いずれもある程度価値があるものが必要で、店頭まで持ち込む手間がかかりますが、手数料や利息の心配をする必要がありません。

売れるものが一切ないという状況であれば難しいですが、不用品や質に出せるようなものがあれば、積極的に活用しましょう。

クレジットカード現金化を利用する

本人名義のクレジットカードを所持していて、ショッピング枠の残高があれば、クレジットカード現金化でお金を作ることができます。ショッピング枠の残高があることが条件なので、キャッシング枠を使い切っていても利用可能です。

クレジットカード現金化は、ショッピング枠の残高に対して、70~80%の換金率が適用されます。

たとえば、10万円のお金を作るには、約12万円のショッピング枠の残高が必要です。

お金の調達コストは決して安くありませんが、違法な個人融資を利用するよりも遥かにリスクの低い方法と言えるでしょう。

公的扶助制度を利用する

公的扶助制度とは、国や自治体による公的な補助のことで、代表的なものに生活保護があります。

「生活保護を受けるための条件は厳しい」というイメージが一般的ですが、条件はとてもシンプルで、
厚生労働省が定める「最低生活費(生活するために最低限必要な費用)」より、世帯の収入が低ければ、その差額が生活保護費として支給されます。

したがって、働いていても、持ち家があっても、年齢が若くても、生活に困っていると判断されれば、保護を受けることができるのです。

申請にあたっては、市町村役場の窓口で相談するほか、全国の生活保護利用支援ネットワーク、生活保護の専門相談窓口のある弁護士会などが生活保護を受けたい人の支援を行っています。

個人融資でお金を借りてしまった場合の対処法

万が一、個人融資でお金を借りてしまったら、以下の行動を取りましょう。

借主が罪に問われることはないため、早期に対処することが重要です。

絶対に継続してお金を借りない

個人融資で一度お金を借りてしまっても、継続して利用することは厳禁です。

前述のように、継続してお金を借りるには、より高い利息を請求されたり、犯罪につながるようなリスクの高い行為を求められたりします。

消費生活センターや警察などに相談する

個人融資でお金を借りてしまったら、個人情報が悪用されたり、強引な取立を受けたりするるなどの可能性があります。

すみやかに消費生活センターや最寄りの警察署に連絡し、事実関係を説明しましょう。

個人融資を利用する前に、多重債務などで困っているのであれば、自治体の多重債務相談窓口や消費生活センター等に相談することをおすすめします。

相談窓口

○金融庁 金融サービス利用者相談室(平日10時00分~17時00分)
電話:0570ー016811(IP電話からは03-5251-6811 )
FAX:03-3506-6699
インターネットによる情報の受付は、こちら 新しいウィンドウで開きます

○消費生活センター等の消費生活相談窓口
電話:188(消費者ホットライン)

○警察
電話:#9110(各都道府県警察相談ダイヤル)

○日本貸金業協会 貸金業相談・紛争解決センター
電話:0570-051051(IP電話からは03-5739-3861 )

引用:SNS等を利用した「個人間融資」にご注意ください!|金融庁

個人融資に関するQ&A

個人融資のリスクに関して、よくある質問とその回答をQ&Aにまとめました。

Q.どうしてもお金に困っていたので、個人融資を利用してしまいました。利用しただけでも罪に問われますか?
A.個人融資でお金を借りてしまっても、あなた(=借主)が罪に問われることはありません。「バレたらどうしよう」などと心配をする必要はないので、すみやかに消費生活センターや警察に相談しましょう。
Q.お金に困っている家族や知人に個人でお金を貸すことは、個人融資にあたるのですか?
A.貸し借りの方法によります。個人であっても、反復継続する意思をもって金銭の貸付けを行うことは、貸金業に該当します。つまり、1回の貸し借りで終わりではなく、貸付をして、返済を受けたら、また貸付をするといった反復継続の金銭の貸付は、個人間であっても貸金業登録をしていない違法な貸付とみなされます。

個人融資は絶対にNG!絶対に利用しないこと!

個人融資がいかに危険であるか、ご理解いただけたでしょうか?

見知らぬ人がお金を貸してくれると言っても、相手が清廉潔白であるとは限りません。個人情報の悪用や性的搾取を目的とした、悪質な貸主も存在しているからです。

一時的にお金を用立てできたとしても、その後の返済や取立により、さらに苦しい状況が続きます。

お金に困ってどうしようもないときは、怪しい個人融資でお金を借りるよりも、しかるべき相談窓口や公的扶助制度の利用をおすすめします。